精神科病院の長期入院、社会的入院の解消策として、病棟の一部をグループホームなど居住系施設に転換する構想が厚生労働省の検討会で議論されている問題で、構想に反対する緊急集会が26日、東京の日比谷野外音楽堂で開かれた。
全国から約3200人が参加し、元入院患者、支援団体の関係者らが報告やリレートークを行い、「病棟転換は病院経営のための看板の掛け替え」などと批判した。
8回の入院を経験したという男性は「プライバシーもなく、自由も権利もない入院生活で、人間らしい感情が鈍麻してしまう」と語り、「地域で暮らせるよう地域福祉に予算を充ててほしい」と訴えた。
呼び掛け人の一人、池原毅和弁護士は1月に批准された障害者権利条約との関係を指摘し、「病院の敷地内の生活施設では、条約が定める地域社会への包容(インクルージョン)にならない。排除、分離、差別を促進させる。アンシャンレジーム(旧体制)を残しては政策転換はできない」と批判した。
県内から参加した県精神障害者家族会連合会(じんかれん)の堤年春理事長は会場で「国は地域の受け皿づくりに予算を付けず放置してきた。住宅、福祉サービスの整備にこそ予算を配分すべき」と話した。
集会では「病棟転換型居住系施設は、人権をないがしろにする、あってはならない施設。構想の検討をやめ、社会資源や地域サービス構築を急ぐことを求める」とする緊急アピールを採択、厚労省に提出した。
厚労省の有識者検討会「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」は7月1日に最終会合を行う。
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精神科病院の病棟を居住施設に転換する構想に反対する緊急集会=東京・日比谷野外音楽堂
【神奈川新聞】2014.06.27 03:00:00
全国から約3200人が参加し、元入院患者、支援団体の関係者らが報告やリレートークを行い、「病棟転換は病院経営のための看板の掛け替え」などと批判した。
8回の入院を経験したという男性は「プライバシーもなく、自由も権利もない入院生活で、人間らしい感情が鈍麻してしまう」と語り、「地域で暮らせるよう地域福祉に予算を充ててほしい」と訴えた。
呼び掛け人の一人、池原毅和弁護士は1月に批准された障害者権利条約との関係を指摘し、「病院の敷地内の生活施設では、条約が定める地域社会への包容(インクルージョン)にならない。排除、分離、差別を促進させる。アンシャンレジーム(旧体制)を残しては政策転換はできない」と批判した。
県内から参加した県精神障害者家族会連合会(じんかれん)の堤年春理事長は会場で「国は地域の受け皿づくりに予算を付けず放置してきた。住宅、福祉サービスの整備にこそ予算を配分すべき」と話した。
集会では「病棟転換型居住系施設は、人権をないがしろにする、あってはならない施設。構想の検討をやめ、社会資源や地域サービス構築を急ぐことを求める」とする緊急アピールを採択、厚労省に提出した。
厚労省の有識者検討会「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」は7月1日に最終会合を行う。

精神科病院の病棟を居住施設に転換する構想に反対する緊急集会=東京・日比谷野外音楽堂
【神奈川新聞】2014.06.27 03:00:00