大阪市立大の杉本キャンパス(大阪市住吉区)にある食堂「野のはなハウス」で、障害のある店員の支援に、福祉を学ぶ学生が入り実習の場として活用されている。障害者の就労訓練をしつつ、大学の授業に生かす“一石二鳥レストラン”として注目を集めている。
同キャンパスでは、大学生協が昨年、学術総合センターにある食堂の事業から撤退したため、事業者を公募。外食産業など9事業所が応募し、大阪府内で約70人の障害者が働く喫茶店などを運営する社会福祉法人「野のはな」(同府阪南市、西尾京子理事長)が選ばれ、今年1月から営業を始めている。
市大には社会福祉士の受験資格などが得られる生活科学部人間福祉学科があり、実習は1年生を対象に今年度から始まった「共生社会演習」(上半期)。履修生約40人は、実際に学外の社会福祉施設で学ぶが、「身近な場所で障害のある人と関わることで進路を考えるきっかけにもなる」と、「野のはなハウス」も実習対象にした。
履修生らは授業時間外に食堂を訪れ、知的障害や身体障害のある7人の店員が注文を聞いたり、配膳したりする際のサポートをしている。1年の辻出有希さん(18)は「初めは戸惑ったが、障害のある人の特性などが時間を積み重ねて見えてきて、話も弾んできた」と話す。食堂で働く岸本都美さん(23)は「年齢の近い人とスポーツなど好きな話もできて楽しい」と話す。
食堂運営を民間に委託する大学は増え、社会福祉法人が参入する例も、市大の他、群馬大などである。「野のはなハウス」は、店舗改装や新メニューの考案などでも学生のアイデアを取り入れて大学などと連携する。市大の西沢良記学長は「自然な共生社会の場としての大学を目指したい」と話す。「野のはな」の西尾理事長は「障害のある店員に、より多くの賃金を払える事業に育て、地域に開かれた食堂にしたい」と意欲を見せている。
問い合わせは「野のはなハウス」(06・6605・3328)
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大阪市立大学の学生(左から2人目)の手を借りながらレストランで働く障害者(同3人目)=大阪市住吉区で、
毎日新聞 2014年07月29日 14時45分
同キャンパスでは、大学生協が昨年、学術総合センターにある食堂の事業から撤退したため、事業者を公募。外食産業など9事業所が応募し、大阪府内で約70人の障害者が働く喫茶店などを運営する社会福祉法人「野のはな」(同府阪南市、西尾京子理事長)が選ばれ、今年1月から営業を始めている。
市大には社会福祉士の受験資格などが得られる生活科学部人間福祉学科があり、実習は1年生を対象に今年度から始まった「共生社会演習」(上半期)。履修生約40人は、実際に学外の社会福祉施設で学ぶが、「身近な場所で障害のある人と関わることで進路を考えるきっかけにもなる」と、「野のはなハウス」も実習対象にした。
履修生らは授業時間外に食堂を訪れ、知的障害や身体障害のある7人の店員が注文を聞いたり、配膳したりする際のサポートをしている。1年の辻出有希さん(18)は「初めは戸惑ったが、障害のある人の特性などが時間を積み重ねて見えてきて、話も弾んできた」と話す。食堂で働く岸本都美さん(23)は「年齢の近い人とスポーツなど好きな話もできて楽しい」と話す。
食堂運営を民間に委託する大学は増え、社会福祉法人が参入する例も、市大の他、群馬大などである。「野のはなハウス」は、店舗改装や新メニューの考案などでも学生のアイデアを取り入れて大学などと連携する。市大の西沢良記学長は「自然な共生社会の場としての大学を目指したい」と話す。「野のはな」の西尾理事長は「障害のある店員に、より多くの賃金を払える事業に育て、地域に開かれた食堂にしたい」と意欲を見せている。
問い合わせは「野のはなハウス」(06・6605・3328)
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大阪市立大学の学生(左から2人目)の手を借りながらレストランで働く障害者(同3人目)=大阪市住吉区で、
毎日新聞 2014年07月29日 14時45分