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不屈の障害者卓球マン、リオへ始動…岡山

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 障害者卓球で2002年に日本初のプロ選手になった、岡山市南区の岡紀彦としひこさん(50)。

 生まれつき骨がもろい「先天性骨形成不全症」で、国内最大規模の障害者卓球大会「ジャパンオープン肢体不自由者選手権大会(車いすの部男子)」では1988年から25連覇していたが、昨年は両親の交通事故のために欠場した。しかし、今年3月の同大会でブランクを感じさせないプレーを見せて優勝を果たし、復活。2016年のブラジル・リオデジャネイロパラリンピック出場に向け、本格始動した岡さんに抱負などを聞いた。

 ――昨年、ジャパンオープンの連覇が25で途切れた。

 「昨年3月、大会前日に両親が交通事故に遭った。父親には『出場しろ』と言われたが、2人の治療には3か月間の入院が必要だったうえ、保険会社などでの手続きがあり、出場を断念した。両親には『自分たちが息子の連覇を止めてしまった』というやりきれなさがあったと思う。だからこそ、今年の大会は絶対優勝するという強い気持ちで臨んだ。入れ込みすぎるのを抑えるのが大変だったが、男子の車いすの部に29人が出場した大会で最高の結果が出て良かった」

 ――00年頃にベスト10に入っていた世界ランクは、現在21位に下がった。

 「国際大会に定期的に出場するようになってから一番低い。昨年は両親の看護もあって練習もままならず、11月の国内大会で復帰して優勝したが、スピードについていけなかったうえ、勝負所での見極めが鈍っていた。国際大会でも今年5月にあったスロバキアの大会で予選落ちするなど、本調子とはいえない。10月には韓国・仁川インチョンで障害者アジア大会(アジアパラリンピック)が開かれる。日本代表候補に挙がっているので、選出されたらメダル争いをしたい」

 ――外国選手でライバルとなるのは。

 「やはり中国。08年の北京パラリンピックを機に、10歳代の強い選手がたくさん出てきた。欧州勢も力強い選手が多く、世界トップ級の選手については細かくデータを取って対策を練っているが、最近は国際大会で金星を挙げていない。トップ級の選手との体格や技術の差はいかんともしがたいが、サーブを工夫したり、カウンターで強い打球を返したりするなどして、『柔よく剛を制す』試合運びで自分より上位の選手に打ち勝てれば」

 ――年齢による衰えは感じるか。

 「体の反応が衰えたとは感じていない。むしろ、意欲は若い頃より高い。パラリンピック出場が狙える世界ランク15位を指標に、来年のトップ10入りを目指す」

 ――今後の目標は。

 「リオデジャネイロパラリンピック出場が目標。今年と来年の国際大会で、いかに結果を残すかが重要になる。00年のシドニーからパラリンピックには3大会連続で出場し、04年のアテネのクラス別個人戦では過去最高のベスト16に入った。12年のロンドンに出られなかった悔しさをバネに、強い打球を正確に打ち返す練習などに力を入れ、必ず出場権を獲得してベスト8以上を狙いたい」(聞き手・三島浩樹)

 ◇岡紀彦(おか・としひこ) 1964年、岡山市生まれ。先天性骨形成不全症のため、9歳から車いす生活を送り、30回以上の骨折を経験した。症状が落ち着いた中学2年の頃に卓球と出会い、高校3年には障害者卓球で国体に出場。県立岡山養護学校を卒業後、印刷会社に11年、ハウスメーカーに8年勤務しながら、卓球を続けてきた。2002年からプロ選手として活動する。現在は「タマス」「ダイヤ工業」「トヨタレンタリース岡山」の3社と契約中。身長約1メートル30で、車いすを駆使して白球を追う姿から、「小さな巨人」というニックネームを持つ。

 ◆障害者卓球 日本障害者スポーツ協会によると、障害者スポーツの中でも国内の競技人口が200〜300人と多い種目で、国際パラリンピック卓球委員会におけるクラス分けは全11クラス。大きく肢体障害と知的障害の2クラスに分けられ、うち肢体障害は車いす使用者と立位に区分される。車いすは障害の程度によって5段階に分けられ、岡選手は最も障害が軽いクラス5に入っている。

2014年08月04日 13時33分 読売新聞

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