三養基郡みやき町は8日、来庁した聴覚障害者への窓口対応を充実させようと、ウェブカメラを使った手話通訳サービスを始めた。これまで筆談や同行した家族の通訳に頼っていた各種行政手続きが円滑にできるという。まず中原庁舎にカメラを設置、利用状況を見て北茂安、三根の両庁舎への拡大も検討する。
中原庁舎の環境福祉課に置かれたノートパソコンのウェブカメラで県聴覚障害者サポートセンターと通信。同センターの手話通訳士が聴覚障害者と職員のやり取りを手話や音声に変換する。県内では嬉野市が同様のサービスを7月から運用している。
開通式では、町内在住で聴覚障害2級の服部いづみさん(26)がウェブ通訳を体験。時間差の少ない、滑らかなやり取りに「これまで役場を訪れるには家族に同伴してもらわなければならなかったが、これからは1人でも気軽に来られる」と歓迎した。
ただ、ファクスなどによる事前申し込みが必要といった課題もある。町職員の手話習得も並行して進めており、末安伸之町長は「手話通訳のサービス開始を契機に、心通う福祉のまちづくりを充実させていきたい」と話す。
ウェブカメラを介してつながった手話通訳士を通して、役場職員とやりとりする利用者=みやき町役場中原庁舎
2014年09月08日 19時58分 佐賀新聞