障害者総合支援法に基づいて国、県、市町村が身体障害者に車椅子などの購入費を補助する制度で、市町村から照会を受けた県総合リハビリテーションセンター(長野市)が、「シニアカー」と呼ばれるハンドルで操作する電動車椅子は補助対象外だと誤った説明をしていたことが10日、分かった。センターは市町村に訂正文書を送り、申請をあきらめた障害者がいないかどうか調べている。
この制度では障害者が生活に必要な「補装具」を購入する際、市町村に補助を申請。同センターなどが障害の程度や生活状況に適するかどうかを判定し、補助の可否が決まる。厚生労働省によると、電動車椅子は手動の車椅子の操作が難しい重度の下肢機能障害者や歩行困難者が対象。ハンドルで操作する電動車椅子に補助する際の基準価格は約30万円で、補助対象になると1割の自己負担で購入できる。
同センターによると、ハンドルで操作する電動車椅子について昨年度は10件前後、本年度は7月までに長野市、下伊那郡松川町など計4市町から4件の問い合わせがあった。これに対し、昨年度から担当になった同センター更生相談室の職員は、制度を誤認して全て補助対象外と回答したという。
7月下旬に申請を希望した人から指摘されて誤りが発覚。同センターは、誤った説明で申請しなかった人がいないかどうか、市町村に聞き取りをしている。同センターの黒柳利平次長は「センター内で情報共有を図りたい」としている。
09月11日(木) 信濃毎日新聞