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Channel: ゴエモンのつぶやき
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盲導犬に学び支える街 川崎の商店街 視覚障害者と勉強会

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 盲導犬への理解を深め、街全体で視覚障害者を支えようと、勉強会を始めた商店街が川崎市中原区にある。きっかけは今年、鹿児島県から新入社員として市内の電機メーカーに就職した全盲の女性が、盲導犬と住み始めたこと。埼玉県で盲導犬が傷つけられる事件があったばかりだが、女性は「本当によくしてもらっている。互いに歩み寄ることが大事だと思う」と話している。 

 「私たちにできることや、しちゃいけないことを勉強し、困っていたら助けてあげましょう」

 十四日夜、JR南武線の向河原(むかいがわら)駅前にある向河原商栄会の勉強会兼交流会。会長を務める不動産業の中野知教さん(67)がそう話し、全盲の川野静香さんが    盲導犬ハノン(雌、五歳)の仕事について説明し始めた。

 集中できなくなるため盲導犬に話しかけたり、なでたりしないで。犬が勝手に飼い主を引っ張っているのではなく、飼い主の指示で案内している。路上駐車があると、車のミラーが当たって怖い−。川野さんの話に、店主やその家族ら百人以上が熱心に耳を傾けた。

 川野さんは網膜形成不全で生まれつき視力がない。一度は諦めた会社勤めをしたくて、目や耳の不自由な人が学ぶ筑波技術大(茨城県つくば市)で寮生活をしながら情報システム科を卒業し、今春に就職。向河原駅近くの事業所に配属となり、街に慣れようと二月から一人暮らしを始めた。

 当初、入居先が決まらなかった。ハノンがペットと誤解されたためだ。そんな中、物件を紹介したのが中野さんだった。中野さんも当初、仕事中のハノンをなでるなど、盲導犬への接し方を理解していなかった。街全体で学ぼうと勉強会を企画した。

 川野さんにとってハノンは大学二年からのパートナー。外出前に胴輪のハーネスを着けると「出掛けると分かって『早く早く!』と催促するんです」と話す。盲導犬は障害物を避けて歩き、段差や交差点は止まって教える。その動きをハーネスで感じながら、川野さんは頭の中にある地図に沿って指示を出す。だから、頭の地図と異なる状況に出くわすと混乱する。

 自炊する川野さんはハノンと買い物をするが、迷うことも。商栄会では、スーパーで店員が商品をかごに入れるのを手伝ったり、間違った店に入ったら目的の店まで案内してもらえると感謝する。

 二〇〇二年施行の身体障害者補助犬法により、原則どこでも入店できるはずだが、ハノンを訓練した日本盲導犬協会によると、認識不足から盲導犬の入店を拒否する店はあるという。

 「盲導犬という言葉は誰でも知っているが、実際に知らないことは多い」と中野さん。盲導犬や聴導犬などが入店する場合があると伝えるステッカーを広めながら、今後も勉強を重ねていくと話している。

 <盲導犬> 目が見えない人や見えにくい人の歩行を手伝う犬。厚生労働省によると国内で約1000頭が実働中。生後2カ月から10カ月間はパピーウオーカーと呼ばれるボランティアに預けられ、人と暮らして「盲導犬としての社会化」を覚える。1歳から訓練を始め、盲導犬になるのは3〜4割とされる。繁殖や訓練を行うのは、日本盲導犬協会(東京)など国内に11団体。パピーウオーカーは随時募集しており、詳細は同協会のホームページで。

川野さん(右)に胴輪のハーネスを外してもらい、仕事から離れて子どもたちとふれあうハノン=川崎市中原区で

2014年9月19日 朝刊     東京新聞


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