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Channel: ゴエモンのつぶやき
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おぼろ豆腐:障害者らに就労の場提供、伝統の食品守る リヤカーとラッパ、涌谷名物に /宮城

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 涌谷町で障害者たちが江戸時代から伝わる町の伝統食品「おぼろ豆腐」を守り伝える製造・販売の仕事に励んでいる。11年6月の開店以来、作った豆腐をリヤカーに積み引き売りする販売スタイルを貫き、新しい“涌谷名物”になりつつある。

 おぼろ豆腐はにがりを加えた固まり始めのふんわりした状態が特徴。250年前の江戸中期に僧侶が京都から涌谷に伝えたとされ、町内では行事の際、「おぼろ汁」にする食文化があった。

 だが町内に1軒残っていた豆腐店が10年に閉店を決めた。障害者の雇用に積極的な仙台市太白区の「森徳とうふ店」専務の森新一さん(48)がそれを伝え聞き、「伝統豆腐を残そう」と、障害者福祉サービス事業所「涌谷とうふ店」を設立。町から土地建物を有償で借り新鋭の豆腐製造ラインを導入した上で障害者を受け入れた。

 リヤカーでの引き売りは昭和の高度成長期まで見られた。森さんは、町内の近場を回るのに適した販売スタイルだと導入した。2、3人の障害者が支援員とともに午前、午後とも“豆腐屋ラッパ”を吹きながら売り歩く。遠くには軽トラックの移動販売車で向かう。

 「おぼろ豆腐を食べ続けることができ幸せ」などの声が寄せられ、茶飲み話に呼ばれることも。引き売り班の菅原直人さん(19)は「売り切れになると努力が報われうれしい」とニッコリ。

 12年3月に大崎市古川にオープンさせた姉妹店の「古川とうふ店」もリヤカー販売する。現在就労する障害者は両店合わせ33人。給料は最低賃金以上の時給月給制で平均8万8000円に上る。森さんは「おぼろ豆腐だけで1日400パック売れる。伝統食を守り、障害者に就労の場を提供するベースを築けた」と話す。

 おぼろ豆腐はパック入り。大(1キロ)380円、中(450グラム)250円、小(320グラム)200円。問い合わせは涌谷とうふ店(0229・29・9127)。

毎日新聞 2013年01月19日 地方版

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